きのうのこと

すてきなあの頃へ

迷路はもう行き止まり

「生きている理由も死んでいく理由もわからない」

言ったら
「生きている理由なんて考える必要あるのかな」
と言われたので
「こんなこと、理由がなきゃやってられないよ」
と返しました。
 
沈黙。
夕飯の時間がお通夜になりました。
旦那、ごめんよ。
 
弱音を吐くのは好きじゃないよ。
多分みんな好きじゃないよね。
 
生きる理由を考えて生きるのは、つらい。
ただ、ひたすらに思う。
生きなければいけないと思う。
強迫観念のように。
誰かに強制されているように。
生きていかなくてはいけない、と。
 
今、見ている景色が、視界に入っているものが、本当に現実なのか、わからなくなる時がある。
自分の意識に基づいてなにかを感じることが、ただ脳で処理されているだけのものだと思うと、感情も、感傷も、全部が全部、無機質なものに変わっていく。
 
どこかで見たようなもの、聞いたような音、デジャヴ、既視感。
世界五秒前説。
 
想像、幻想、夢物語、そして現実。
中身のない過去。
漠然とした未来。
予定調和の平和。
矛盾だらけの思考。
普通が苦痛。
苦痛が普通。
 
同じことを繰り返しているだけなのに、同じことではないと定義して、ただの応用編だと気付かずに生きていくことは、とても恥ずかしい。
人間は、恥ずかしい、生き物。
 
頭の中がぐちゃぐちゃで整理がつかない。
情報が多い。追いつかない。
考えても詮無いことをひたすら考えて、深みに嵌る。
 
泣きたい時に泣けなくなった。
泣きたくない時に泣くようになった。
これは、成長?
大人に、なった?
 
息詰まる。生き詰まる。
生まれて、すいません。
 
空が暗くなると、街が明るくなる。
紛い物の光を手に入れて、安堵する。
そうして、心に灯りをつけられなくなる。
 
ゆっくり、ゆっくり。
分かっていければいい。
理由も意義も、考えなくていいくらいに理解していけばいい。
ああ、そうか。
私はただ、生き急いでいるだけなのだ。
 
夜はやさしい。
ひとりぼっちにしてくれるから。
ひとりぼっちは、心地いい。
今だけは、私だけの世界。
 
正常はもうおしまい。
正常はもう行き止まり。
 
正常、好き。